舌下神経電気刺激療法
舌下神経電気刺激療法とは
舌下神経電気刺激療法は、2018年6月に厚生労働省が承認し、2021年6月より保険適用が認められた閉塞性睡眠時無呼吸症候群の新たな治療法です。
手術で鎖骨下に埋め込んだパルスジェネレータが、睡眠中の呼吸に同期して微弱な電気の刺激で顎下にある舌下神経を刺激することで効果が発揮されます。舌下神経は舌を動かす神経で、舌を収縮させて前に出すことでのどが広がり、通りがよくなります。就寝前に外部コントローラーを操作して、スイッチをオンにすると装置が作動します。本治療により、睡眠中のいびきや無呼吸の軽減、主観的な眠気の改善が報告されています。
舌下神経電気刺激療法の適応
以下の条件すべてに該当する場合、治療の対象になる可能性がございます。
- 18歳以上であること
- BMIが30未満であること
- CPAP療法の継続困難であること
- 無呼吸低呼吸指数(AHI)が20以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群であること
- 扁桃肥大等の解剖学的異常がないこと
- 薬物睡眠下内視鏡検査で不適応と診断されていないこと(検査は連携医療機関で行います)
- 中枢性無呼吸の割合が25 %以下であること
舌下神経電気刺激療法を受けるには
適応となる患者様を「舌下神経刺激装置植込み術」を受けることができる連携医療機関へご紹介します。手術後の管理については管理体制が整った施設でのみ行うことが可能です。RESM新横浜、RESM新東京は手術可能な医療機関と連携し、各都県で唯一クリニックとしてこの管理体制を構築しています。(2024年4月現在)
当院にて舌下神経電気刺激療法の適応となるか判断した後、連携医療機関へご紹介いたします。
他院でCPAP治療中の方についても対応可能です。かかりつけ医からの紹介状、各種検査結果、CPAPの使用状況が分かる資料をご準備の上、ご予約をお取りください。
薬物睡眠下内視鏡検査を実施し、最終的な適応の可否を判断します。
連携医療機関で行う舌下神経電気刺激療法(InspireUAS)の手術による切開部は、あごの下と鎖骨の下の胸のあたりの合計2か所で、装置は胸の切開部に植え込まれます。患者さんの多くは一般的に1週間程度の入院となり、退院後は通常の日常生活に復帰できます。
植込み手術から約30日後に、装置の起動のため当院を受診いただきます。
装置の起動から約90日後以降に、電気刺激の調整と効果を判定するため、一泊二日の検査入院の必要があります。
その後は治療の経過に応じて受診いただく場合がございます。
連携医療機関
医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院(埼玉県上尾市)