むずむず脚症候群

脚の症状は多彩で、むずむずする、むずがゆい、痛い、チクチクする、だるい、虫が這う感じ、熱い感じ、何とも言えない嫌な感じと表現されます。なかなか寝付けず、日中の眠気も生じやすくなります。　

・脚の違和感によりじっとしていられず、脚を動かしたくなる。

・休息中や横になる、座っているなどの安静時に足の違和感がさらに悪化する。

・脚をブラブラと動かす、さする、揉むことで違和感が改善する。

・昼間よりも、夕方や夜に違和感が強くなる。
・夏場など室温が高いほど違和感が強くなる。

むずむず脚症候群の正確な原因はわかっていませんが、症状の緩和につながる治療薬はわかっています。それらの薬の作用から、ドーパミン神経系の伝達障害、脳・末梢神経系での鉄利用障害などが関与していると考えられています。その他、妊娠・透析利用者・鉄欠乏性貧血のある方も脚の違和感を感じやすく、二次性むずむず脚症候群と呼ばれます。

むずむず脚症候群は自覚症状（脚の違和感により入眠が困難である）による困難を認めるため、診断は病歴聴取などに基づいて行われます。鉄分の不足が原因の一つと考えられるため血液検査により貧血や内臓の貯蔵鉄分量を評価します。

生活指導：脚の違和感を悪化させやすいカフェイン、アルコール、ニコチンの摂取を控えるようにしましょう。また鉄分を補充することで症状の改善が期待されるので、鉄分を意識した食事を摂取しましょう。
薬物療法：ドーパミン受容体作動薬（プラミペキソール）や、ガバペンチンエナカビルを症状に応じて投与します。

・就寝中の四肢の周期的な運動を自覚・指摘される
・こむら返りで頻回に目が覚める
・起床時から脚の疲れを感じる

むずむず脚症候群との合併症例が多く、原因も類似しているものと考えられ、ドーパミン神経系の伝達障害、脳・末梢神経系での鉄利用障害などの関与が疑われています。その他、妊娠・透析利用者・鉄欠乏性貧血のある方も症状が出現しやすいです。

多くの睡眠障害の診断に必要な終夜睡眠ポリグラフ検査（PSG）を実施する際に、下肢や上肢の筋電図を把握するためにシール（電極）を貼ります。睡眠中に起こった四肢の運動をカウントして、睡眠1時間あたりに何回運動を認めたかを評価します。四肢の運動によって目が覚めてしまったと考えられる箇所についても計算を行い1時間当たりの回数を評価します。
また、鉄分の不足が原因の一つと考えられるため血液検査により貧血や内臓の貯蔵鉄分量を評価します。

睡眠中の四肢運動が多いだけですぐに投薬とは考えず、睡眠中の妨げになっていないか、日中の眠気に影響していないかを統合的に判断し投薬を行います。生活指導・投薬指導ともにむずむず脚症候群の場合と同様の対策を実施します。